Aptosブロックチェーン詳細解説

Aptosトランザクションのライフサイクル（運用の観点から）をより深く理解するために、Aptosフルノードに送信されてからAptosブロックチェーンにコミットされるまでのトランザクションの旅路を辿ります。その後、Aptosノードの論理コンポーネントに焦点を当て、トランザクションがこれらのコンポーネントとどのように相互作用するかを見ていきます。

• AliceとBobは、それぞれAptosブロックチェーン上にアカウントを持つ2人のユーザーです。
• Aliceのアカウントには110 Aptos Coinがあります。
• AliceはBobに10 Aptos Coinを送信しています。
• Aliceのアカウントの現在のシーケンス番号は5です（これは、Aliceのアカウントから既に5つのトランザクションが送信されたことを示しています）。
• ネットワーク上には合計100のバリデーターノード — V₁からV₁₀₀があります。
• AptosクライアントがAliceのトランザクションをAptosフルノードのRESTサービスに送信します。フルノードはこのトランザクションをバリデーターフルノードに転送し、それがバリデーターV₁に転送します。
• バリデーターV₁は現在のラウンドの提案者/リーダーです。

このセクションでは、クライアントがトランザクションT₅を送信してからAptosブロックチェーンにコミットされるまでのライフサイクルを説明します。

関連するステップについては、バリデーターノードの対応するコンポーネント間相互作用へのリンクを含めています。トランザクションのライフサイクルのすべてのステップに慣れた後、各ステップの対応するコンポーネント間相互作用の情報を参照することをお勧めします。

graph LR
    subgraph Fullnodes
        direction TB
        REST_Service[REST Service]
    end

    Client(Client) -->|1| REST_Service

    subgraph Other_Validators[Other Validators]
        direction TB
    end

    subgraph Validators
        direction TB
        Mempool[3\nMempool]
        Consensus[Consensus]
        Consensus -->|7, 9| Execution
        Execution -->|11| Storage
        Execution -->|8| Virtual_Machine(Virtual Machine)
        Mempool --> Virtual_Machine
        Virtual_Machine --> Storage
    end

    Other_Validators <-->|6, 10| Consensus
    REST_Service -->|2| Mempool
    Mempool <-->|4| Other_Validators(Other Validators)
    Consensus -->|5| Mempool

トランザクションのライフサイクルには5つの段階があります：

• 受信: トランザクションの受信
• 共有: 他のバリデーターノードとのトランザクション共有
• 提案: ブロックの提案
• 実行とコンセンサス: ブロックの実行とコンセンサス達成
• コミット: ブロックのコミット

以下では、各段階で何が起こるかを、対応するAptosノードコンポーネント相互作用へのリンクと共に説明しています。

Aptosクライアントが生のトランザクション（Traw₅と呼びましょう）を構築し、AliceのアカウントからBobのアカウントに10 Aptos Coinを転送します。AptosクライアントはAliceの秘密鍵でトランザクションに署名します。署名されたトランザクションT₅には以下が含まれます：

• 生のトランザクション
• Aliceの公開鍵
• Aliceの署名

生のトランザクションには以下のフィールドが含まれます：

Aliceのアカウントは現在100 Aptos Coinを持ち、そのシーケンス番号は6になります。もしBobがT₅をリプレイしようとしても、Aliceのアカウントのシーケンス番号（6）がリプレイされたトランザクションのシーケンス番号（5）より大きいため、それは拒否されます。